新築の登記費用のこと
新築を購入する時には、様々な諸費用が発生します。その中に「登記費用」というものがあります。この登記費用については、
「新築購入の登記費用ってどのくらいかかるのかな?相場ってどのくらいなんだろう?」
と、よくわからないという方もいらっしゃいます。
そこで今回は、不動産購入時にかかる登記費用について、それぞれの費用の内容・相場について紹介していきます。
① 新築購入時の登記
戸建てを新築したときには、大きく分けて2種類の登記をする必要があります。
一つ目は建物表題登記、二つ目は権利に関する登記で、建物に関する権利関係が載っており、甲区には所有権に関するものが、乙区には所有権以外の権利(抵当権など)に関するものが記録されます。
建物表題登記については、一定の期間内に登記を申請しなければなりません。 建物表題登記の手続きは、『土地家屋調査士』が行います。
これに対し、権利に関する登記には、法律上申請義務はありませが、自分が物件の所有者であることを第三者に対して主張するためには、登記を備えなければなりません。そのため、一般的には司法書士による権利の登記手続きも行います。
なお、住宅ローンを利用する場合には、登記を備えることが融資の条件になっていますので、必ず登記手続きを行うことになります。
② 新築の登記の種類
建物表題登記
建物表題登記とは「不動産の存在や規格」を新たに登録するために、家を新築したら最初に行う登記のことです。
主に建物の「所在」「地番」「家屋番号」「種類」「構造」「床面積」「所有者の住所、氏名」といった情報を登録します。この表題登記には申請期限があり、新築の場合建物の完成後1ヶ月以内、登記されていない建物を購入した場合は所有権を取得した日から1ヶ月以内に申請をしなければなりません。
表題登記は法的義務があるので、申請を怠ると罰則を受けます。
※不動産登記法164条「申請をすべき義務がある者がその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する」
所有権保存登記
所有権の登記のない不動産について最初に行われる登記で、表題登記とセットで行われることが多く、新築戸建てやマンションを購入し、その所有者が自分であると明示します。
所有権保存登記をすることで抵当権設定登記ができるようになり、これを済ませることで住宅ローンを受けることが可能になります。
抵当権設定登記
抵当権設定登記とは、住宅ローンを借り入れる際、建物と土地(所有権の登記のある不動産)に、金融機関等が担保権を設定する際に行う登記のことです。 これにより、債務者(ローンの返済者)の返済が滞り、返済が困難だと判断されると債権者(金融機関)は手続きのもと、土地や建物を競売にかけることが可能となります。
所有権移転登記
所有権移転登記とは、既に所有権の登記がされている不動産について、所有権が売主から買主に移ったことを示すために行う登記で、土地や中古住宅を購入した場合に行います。この手続きには特に期限は定められていません。
法務局に申請書と必要書類を提出するだけの簡単な手続きですが、これを怠ると不動産の権利を失ってしまうということもあるため、必ず申請しましょう。
先の所有権保存登記やこの所有権移転登記を行うことで第三者に建物の所有権を主張できるようになり、売買などがスムーズに行えるようになります。
地目変更登記
地目変更登記とは、山林や畑等だった土地など、宅地以外で登記されている土地に家を建てた際、地目(土地の利用目的)が変更になった場合に、登記簿の内容も同じように変更する手続きのことをいいます。この手続は、変更があった日から1ヶ月以内に土地地目変更登記の申請を行います。
仮にこれをしなかった場合、10万円以下の過料に処せられます。法務局にて申請書類と必要書類を提出するだけなので、忘れずに申請を行いましょう。
建物滅失登記
お家を新築に建て替える為に建物を解体するなどした場合には、建物を解体した際に必要な申請を滅失登記と呼びます。
建物滅失登記をしておかないと更地にした土地を売ろうとしても売れませんし、自宅やアパートを建てようとしても建てられません。
滅失登記は申請義務があるため、建物を解体した日から1ヶ月以内に申請しないと10万円以下の過料に処される場合があります。
万が一解体時点で所有者が死亡している場合には、相続人のうちの一人が滅失登記を行う必要があります。
③ 新築登記費用の相場
登記免許税
登録免許税は不動産登記の際の税金で、土地や建物の固定資産税評価額に税率をかけて算出される金額を支払います。登記の種類によって税率は異なり、新築の場合関係する登記の税率は以下の通りです。
・土地の所有権移転登記:評価額×2.0%
・建物の所有権保存登記:評価額×0.4%
・抵当権設定登記(住宅ローン借り入れ):借入額×0.4%
不動産評価額は、法務局が定める価格、または、新築工事にかかった額の50~60%が目安となります。また、税率についても状況により変動します。
登記を専門家に依頼
不動産登記の手続きは、一般的には専門家に依頼して行われます。表題登記については「土地家屋調査士」に、所有権や抵当といった権利に関することは「司法書士」に依頼します。
それぞれ報酬については、依頼をする前に必ず見積もりを取り、金額を確認してください。報酬の目安を以下に示します。
①土地家屋調査士の報酬
・建物の表題登記:約8万円~12万円
・土地の表題登記:約7万円~
②司法書士の報酬
・所有権移転登記(売買):約2万~8万円
・所有権移転登記(相続):約3万円~10万円
・所有権保存登記:約1万円~5万円
・抵当権設定登記:約2万円~5万円
④ まとめ
新築購入時にかかる費用として、各種登記やそれにかかる登録免許税の手続きについて解説しました。
後になってトラブルになることを避けるためにも、一通りの登記は速やかに済まることをおすすめいたします。
専門的な知識が必要となる為、専門家に依頼することになると思いますが、必ず複数の見積を取り、支払う報酬額を確認してください。