注文住宅の階段を考える
注文住宅は自由度が高いと言うのが大きなメリットである為、自分の拘り、収納やキッチン、リビングといった日常生活に深く関わる部位が最優先となりやすく、階段のことはそのついでになりやすいのではないでしょうか。
しかし、階段の位置は家づくりにおいて重要で、階段は毎日使い物の持ち運びにも利用する動線が集中するポイントでもあり、生活の利便性にも深く関わっています。
階段の考え方を少し知っておくだけで、生活しやすい間取り設計に役立ちます。これから家づくりを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
【弊社施工事例:枚方市Y様邸】
① 階段の種類
直階段
まっすぐに上がっていく階段です。ある程度の広さや長さが必要ですが、作りがシンプルで、もっとも低コストな階段です。
但し、限られた狭いスペースに設置する場合には勾配が急になり、直線ですので、転んだときそのまま下まで転げ落ちてしまうリスクがあります。
かね折れ階段
かね折れ階段は、踊り場で90度横に折れている階段です。
折れている部分がある分、直階段より安全性は高いですが、無意識に昇降していると、曲がっている部分で足を取られてしまう可能性もありますので、ある程度の注意は必要ですし、手すりを付ける事をおすすめします。
注文住宅の建築事例などでは、かね折れ階段を吹き抜けにして、開放感を出しているものが多く見受けられます。
折り返し階段
踊り場で180度折り返す階段です。かね折れ階段とよく似ていますが、L字型ではなくU字型に折れているのが特徴です。踊り場が平らで広く、転んだ時に下まで落ちてしまうリスクも小さいです。
直階段に比べて段差の数が多くなることから、階段の勾配が緩やかになり、階段の上り下りが楽になることもメリットとなります。
カーブ階段
途中でカーブを描く階段です。
水平・直角といった枠に収まらない独特のカーブで空間を演出することができ、洋風で優雅な雰囲気を与えてくれます。
玄関の正面などに装飾的に配置することが多く、一般的な住宅とは一味違ったおしゃれな空間を演出できます。
らせん階段
柱を軸に、螺旋状にステップを上がっていく階段です。全体の形は円柱状で、直線の階段に比べて省スペースで設置することができ、より広スペースを作ることできます。
他の階段と比べてコストは掛かりますが、お家の中に螺旋階段があると、普通の階段と比べておしゃれで存在感もあり、ゴージャスにみえ、人気のカタチです。
ただ階段の幅によっては、物の持ち運びが困難になるというデメリットもあります。
② 階段を配置する位置
リビング階段
多くの住宅では、上階へ上がる手段は階段だけで、階段には自然と動線が集まることとなります。
階段をリビングに設置すれば、リビングにも自ずと家族が集まりやすくなるわけです。家族間の触れ合いも増え、子供が大きくなったとしても毎日確実に顔を合わせることができます。
また、開放感を演出できることもメリットです。
ただ、リビングに来客を招いている時に、家族が客人と顔を合わせてしまったり、子供が自室に友達を連れてきた時、リビングでくつろぐ姿を見られてしまうなど、抵抗を感じる場面も生じてしまいます。
また、断熱性や機密性をしっかり考えておかないと、電気代が高くついたり、リビングの音が2階まで響いてしまうといった事も起こってしまいます。
玄関ホール階段
玄関ホールに階段を配置するスタイルで、家に入ってすぐに2階へ上がれるため、リビング階段のように来客者と顔を合わせる心配がなくプライバシーが守れます。
階段は廊下とのみ繋がっている構造になりますから、空調や防音などにもリビング階段ほど配慮する必要はないでしょう。
デメリットとして挙げるなら、リビング階段とは反対に、家族同士で顔を合わせる機会が減ってしまうという事と、”廊下”というスペースが出来てしまう事でしょうか。
③ 階段を配置する位置
階段の形式や設置場所以外にも、せっかくの注文住宅ですので、階段を形作っているパーツに拘ってみても面白いですよ。
手すり、縦桟(たてざん)、横桟(よこざん)、素材や照明にも拘ると、階段と言えどもおしゃれな空間を演出できます。
注文住宅では、自分だけの拘りを持つお家をつくることができます。ご予算の範囲内でどのようなお家がつくれるのか、一度、椎葉テクノホームにご相談ください。